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福岡県こども食堂ネットワーク

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「『しこふむ』こども食堂フォーラム」が開催されました

「私にもやれそうです」広がるこども食堂の輪80人が集い
「『しこふむ』こども食堂フォーラム」が開催されました(令和6年6月16日)

しこふむこども食堂フォーラムが6月16日、古賀市の「リーパスプラザこが」で開催されました。「しこふむ」は新宮、古賀、福津、宗像の頭文字をとったもので、この地域でこども食堂を運営する6団体と県こども食堂ネットワークが主催しました。基調講演やパネルディスカッションで、こども食堂の活動が地域コミュニティづくりにつながっているとの報告もあり、参加者からは「私にもやれそうです」と前向きな声が聞かれました。

80人が集い「『しこふむ』こども食堂フォーラム」が開催されました
80人が集い「『しこふむ』こども食堂フォーラム」が開催されました

フォーラムは「広げよう!こどもの居場所」がテーマ。会場には予想を超える約80人が集まりました。福津市で「ワイガヤ食堂」を運営する水町秀展実行委員長が「誰でも分けへだてない地域コミュニティ、居場所づくりがこども食堂の目標です」と開会のあいさつをしました。司会は宗像市で「あったかの日」を運営する藤原浩美さんが務め、県こども食堂ネットワーク代表(筑紫女子学園大准教授)の大西良さんが基調講演をしました。

80人が集い「『しこふむ』こども食堂フォーラム」が開催されました
80人が集い「『しこふむ』こども食堂フォーラム」が開催されました

大西さんは少子化が進む中で、ここ10年来こども食堂が増加。全国で9200件に上り、公立中学校とほぼ同数になった、と語りかけました。福岡県でも342のこども食堂が活動、最近は地方を中心に増加傾向にあります。生活困窮家庭の利用が多いというイメージがあるものの、こども食堂の8割は居場所づくり、地域づくりを目的にしています。こどもだけでなく、高齢者の生きがいづくりになるなど「多世代交流の場」にもなっています。そんな性格を持つこども食堂は、タテヨコの関係ではなくナナメにつながる柔らかな居場所になっている、などと説明しました。

80人が集い「『しこふむ』こども食堂フォーラム」が開催されました
80人が集い「『しこふむ』こども食堂フォーラム」が開催されました

パネルディスカッションでは、「あったかの日」を手伝う高校1年の那須奏太さんが「食事だけでなく、友だちとゲーム遊びなどつながる場になっています」と説明。地域の歩行者天国の催しを大人と一緒に計画するようになってきていて、こどもだけでなく「みんなの食堂になっています」と話しました。福教大の学生時代からNPOを立ち上げて「みんな食堂」を運営する新福響さんは20代。「孤独を感じていた自分のためでもありました」と、毎月1回開店。協力してくれる学生とともに、カレーをつくり、宿題もみてきました。「月1回で何が変る、と言われたこともありますが、やる人が20人、30人いたら毎日やれます」と力強く話しました。

こどもの居場所たまりんば」(古賀市)を運営する加藤典子さんは5年前から活動しています。毎週木曜日の夕方には、7~80人のこどもたちでにぎわいます。最初のころは「生きている意味がない」と将来に不安を抱えるこどもも少なくありませんでした。ボランティアの大学院生らが話を聞いたり勉強をみたりしてきました。時には食べた食器は自分で片付けよう、と注意もしてきましたが、「一緒に食べるのは楽しいんやね」と話すようになり、変っていくこどもたちをたくさん見てきました。5年間の活動をスライドで紹介し、食材を届けてくれた農家の方たちに大変お世話になりましたと報告しました。

「下府2区ほっこり食堂」(新宮町)を手伝う馬郡昭彦さんは、町社会福祉協議会のこども食堂養成講座を機に、今年4月オープンしましたと紹介。運営者の高齢の母親が北九州市でこども食堂を手伝っていて、生きがいになっていた、と話しました。ほっこり食堂にも70~80代の高齢者が協力していて、「楽しかった」「また来たい」と言ってくれています。多世代交流の実例にもなっていると話しました。県こども未来課の担当者も参加し、県が昨年実施した応援プロジェクトに目標を大きく上回る1800万円もの寄付が寄せられたことを報告。「県としても人、場所、モノなど出来る限りの支援をしたい」と話しました。

80人が集い「『しこふむ』こども食堂フォーラム」が開催されました
80人が集い「『しこふむ』こども食堂フォーラム」が開催されました

「今日の議論を聞いて、自分にもやれそうだなと前向きな気持ちになりました」。パネルディスカッションを受けて、会場で少人数のグループに分かれて即席ミーティングも行いました。情報が共有されるにつれ、こども食堂に意欲的な意見が相次ぎました。こども食堂を手伝うようになって意識が変った、と自宅を開放している家庭の報告もありました。会場ではフォーラムの進行と同時並行して、絵や文章で伝えるグラフィックレコーディングも実施。チャイルドライフコミュニケーターのグロス梯愛依子さんが大きな模造紙にマジックを走らせ、議論の様子を色鮮やかな作品に仕上げてくれました。

80人が集い「『しこふむ』こども食堂フォーラム」が開催されました
80人が集い「『しこふむ』こども食堂フォーラム」が開催されました

しこふむこども食堂フォーラムは、今年1月30日に福津市でネットワーク会議を開いたことをきっかけにスタートしました。古賀市の金子佐知子さん運営の「ちいさかーさ」を加えた6団体のメンバーが、毎月1回ほどのペースで会議を重ねました。ポスターやチラシの制作、配布を手始めに、行政などへの後援依頼、会場の手配など半年かけて準備を進めてきました。議論を重ねるうちに、こどもの居場所とはコミュニティーづくりなんだ、という情報共有ができました。実行委員長の水町さんは「みんなで意見を出し合い、作り上げ、一つの形になりました。これからもネットワークを発展させていきたい」と話しています。

(以上)

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